おすすめの旅行記・エッセイ 〈前編〉
バンコク電脳マーケット / クーロン黒沢
「人間のあらゆる欲望に忠実な街、バンコク。
普通のガイドブックには、絶対載っていない、
この街のウラ事情をギリギリまで書いてしまっ
た。」ヤワラーで有名な「少女理髪店」ではシ
ャンプーしながら巨乳の感覚が味わえるし、
「冷気茶室」では白昼堂々の売春が…。
ホモが密集するマクドナルドからヤク中とエロ
オヤジの集まる暗黒系の宿、ドブ川に浮かぶ
ハイテク海賊版マーケットまで、混沌と欲望の
裏ガイド。
バンコクのあやしいスポットに潜入した体験をユーモアたっぷりに綴る
魔都バンコクの裏ガイドブック!
20年も前の本で、今はなくなってしまったところも多いが、
同じようなあやしい場所はバンコクにまだまだ存在しているはず。
著者のユーモアのセンスも光る!
上海の西、デリーの東 / 素樹文生
インドに行きたかった。そして僕は
職場を捨てて旅に出た。上海までは
船、それから陸路、西をめざす。中
国で"没有"の連発にムッとし、カン
ボジア人の"ノープロブレム"は、つ
まり問題大いにありということが身
にしみてわかる…。 ベトナム、タ
イをへて聖河ガンジスへ。三十歳を
目前に出発した著者が、アジア放浪
の苦闘と、その魅力をしなやかに描
く、バックパッカー新世代必携の書。
三十歳を目前に控えたある日、居心地の良かった会社をあっさり辞め、
上海からインドに向かう。
長い旅から帰ってきて日本に自分の居場所がなくなることがわかっていても
やっぱり日本を飛び出してしまう旅行者の性(さが)には共感する。
実際に旅の情景が浮かんできて自分も旅をしている気分になれる一冊。
あんまり貧乏くささを前面に出していないのもいい。
ベトナム怪人紀行 / ゲッツ板谷
不良デブ=ゲッツ板谷と、兵隊ヤクザ=
鴨志田穣。最凶コンビの今度のターゲット
は「絶対降参しない国」ベトナム。
詐欺師丸出しの"自称"ニッポン人との対決、
世界の珍獣「手乗り鹿」&日本犬をビバ
完食、"セクシー"アオザイの魅力にノック
アウト…。そして最大の敵「ベトナム戦争」
という歴史と対峙し…。
またもや繰り広げられる怪人達とのタイマ
ン勝負。勢いだけで突き進む「みんなのア
ニキ」、ゲッツ板谷の人気紀行シリーズ第
二弾。今回も三大欲求大爆発!
十代の頃はヤクザの予備軍だったヤンチャな著者が友人の鴨ちゃんと共に
ベトナムへ。
ぼったくりバーで、女の子とけんかしたり、各地で戦争の爪痕に衝撃を
受けつつもベトナム人のたくましさに圧倒される。
西原理恵子のマンガ付き!
意味不明な比喩が多すぎるのは、ちょっと鬱陶しいけど、ほどよい下品さで
笑わせてくれる。
深夜特急 / 沢木耕太郎
インドのデリーからイギリスのロンドンまで
乗合バスで行く。ある日思い立った二十六歳
の(私)は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。
途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴
れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは
"大小(たいすう)"というサイコロ賭博に魅せら
れ、あわや…。一年以上にわたるユーラシア
放浪が、今始まった。いざ、遠路二万キロ彼
方のロンドンへ。
誰もが知るバックパッカーのバイブル的存在!
80年代、90年代の個人旅行ブームの火付け役で、大沢たかお主演で
ドラマ化もされた。
これからバックパッカー的な旅を始めようと思っている人には最適な一冊。
明日から旅に出たくなること間違いなし!
ちなみに深夜特急のタイトルの由来は、映画「ミッドナイトエクスプレス」
からきているのだが、こちらもおすすめ。
アジアンジャパニーズ / 小林紀晴
濃密な空気が僕を包んだ、あの日。3年半
勤めた会社を辞めて、フィルムだけで詰ま
った重いザックを背負い、なんのあてもな
く、バンコクに降り立ったときから、僕の
旅は始まったのだ。旅先で出会った幾人も
の若者たち。「深夜特急」に飛び乗った彼
らは、旅に何を求めたのか。
アジアをさすらう若者たちの「いま」を鮮
烈な写真と文章で切り取った大ベストセラ
ー・ノンフィクション。
アジアで出会った日本人たちとの現地でのエピソードとその後の
彼らの消息を追ったドキュメンタリー
日本に帰って家庭を築いた者もいれば悲劇的な結果を迎えた者も…
特にネパールで出会った青年のエピソードは衝撃的!